ハンバーグ

徒然なるままに。

祖父母のはなし。

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

 

私には母方、父方と合わせて4人の祖父母がいる。正確には、いた。いまは1人だけ。

父方の祖父母は私が学生の頃に立て続けに亡くなった。

父方の祖母は私が初孫でそれはそれは沢山甘やかしてくれたし、誰よりも沢山旅行に連れていってくれた。そして私の人生の教訓である「辛いのは自分だけじゃない」ということを教えてくれた大切な人で、この祖母の教えがなければ私はきっと今よりももっとだめな人間になっていたと思う(笑)

父方の祖父は、父と折り合いが悪く、私もあまりいい思い出はない。ただタクシーの運転手を現役でやっていた頃、迎えに来てくれてタクシーに乗せてくれたことを今でも覚えている。父の性格を見ていると祖父と重なるところがあるから、親子だなと思うし、きっと祖父も寂しかったり素直になれなかったんだろうなと、今となっては色々と思うところはある。

祖母が亡くなるとき、孫は私だけが最期に立ち会えた。よくある最期のピーーーーーという音も聞いたはずなのに、実感はなかった。病院の霊安室で二人きりにされたときに居なくなっちゃったのかと思ったが、何となく気持ちはふわふわしていた。大好きな祖母との最後の時間、私は何を考えていたのか覚えていない。

 

母方の祖父母は私にとって自慢だった。祖母はチャキチャキした人間で常に動き回っていて、声が大きくて元気でやや適当な人。

祖父はお寺の住職だった。私の父とはぎこちない関係だったけど、それでも孫の私たちには厳しく、そして時には楽しく過ごす時間を作ってくれた。袈裟を纏った祖父は幼い私から見てもとてつもなくかっこよく偉大な人間に見えた。

その祖父が今年の頭に亡くなった。遠方に住んでいた祖父にはもう何年も会えていなかった。久しぶりに見た棺桶の中にいる祖父は小さく感じたが、祖母はもっと小さく感じた。弱々しく感じた。

祖父のお葬式は今後二度と体験出来ないであろうと感じた。凄かった。最期までやっぱり私の自慢の祖父だった。そして、最後のお別れのとき祖母は泣きながら支えられながら棺桶の前に立ち、「今までありがとう。結婚してよかった」という旨の言葉を掛けていた。私はその言葉を思い出す度に涙が出る。私もそんな風に思える人と結婚しようとその時心に決めた。

いま私には母方の祖母しかいない。ちゃんと会いに行かなければと思いつつ、何も行動に移せていない自分がいる。この文書を書きながら改めて近いうちに会いに行こうと思った。